洗練された鍵の形
長く決着のつかない争族の強制決着法として、第一に単独登記によって法定相続登記を行い、第二にその自分の持分を第三者へ売却して、当該第三者によって解決してもらう方法もあります。
相続では、遺産分割がこじれて「争族」となってしまい、長い年月その不動産が亡くなった親の名義のままとなっている例がよくあります。
3年や5年ならともかく10年から20年、長い話では30年も分割協議がまとまらず、その間不動産はずっと死んだ親の名義のままで、登記の変更はできないと思い込んでいるのが一般です。
相続原因による所有権移転登記は、実は相続発生後はいつでも可能なのです。
登記申請人は法定相続人のうち誰でも良く、そのうちのどの1人が申請しても良いことになっています。
ただし、所有権移転の割合は、法定相続人全員の法定相続持分に従った持分共有登記となります。
この知識を活用した方法は、ある相続人が法定相続分以上の取り分を要求して譲らない場合、また偽物の疑いのある遺言を持ち出して、やはり法定相続分以上を主張された場合などには、その相手方相続人がさっさと勝手に法定相続分による持分共有で単独登記をしてしまうというものです。
日本の登記制度では、いったん法的に正しく登記されたものを覆すには、訴訟などの判決を得なければならず、その困難さを武器にその後の遺産分割協議の交渉を有利に展開できる可能性があります。
この法定相続分による持分共有登記は、実は第三者でもその登記をすることが可能なのです。
法定相続人の中に債務超過に陥り債権者から追及されている人が、不動産を相続できることを債権者に知られた場合などでは、債権者により第三者登記をされて、さらにその人の共有持分に対して差し押さえをされてしまう場合もあります。
債権者にとっては、債権回収の重要な手段ともなるのです。
債務者以外の相続人にとっては、遺産分割処理をスムーズに行うために、そうしたことも考慮に入れたさまざまな対応が必要となるでしょう。
さて、法定相続分によって遺産の不動産に共有持分が登記されても、肝心の「争族」が解決されるわけではありません。
不動産の共有には、共有者の確認のもとでの民法上の通常の共有と、遺産分割が未了状態での法定共有の2種類があります。
前者の通常共有でも性々にして「共憂」となり、しばしばトラブルの原因となりますが、後者の遺産分割未了共有いわゆる遺産共有は、争いの種そのものです。
前者の通常共有は不動産所有権の共有であれば、その所有権者はその共有分について自由に処分することができます。
一部もしくは全部を他人へ譲ることも売ることも可能です。
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